ブログ

昔を足す

JR東日本から発行されている
大人の休日倶楽部 ジパング 10月号に、
落語家・立川志の輔さんのインタビュー記事が掲載されています。

そこに、
『-便利を取れば何かを失う。今の時代、いよいよ便利を極めたのだから
 そろそろそこに"昔"を足したらどうだろうか。-』
という文がありました。

住宅に当てはめてみます。
例えば庇。

昔から日本人は、家の庇を深く取って、住んでいました。
いつからか、庇は、何だかあまり見られない住宅が増えていきました。

今年は震災の影響もあり、庇がいかに節電に有効かということを
TVやラジオなどで説いているのを何度も聞きました。

日本の気候風土に、何故庇が必要だったのか。

志の輔さんの言葉に、
便利で得たもの・便利だからこそ失ったもの、
工業製品・手造り、
安い・高い・・・、
そんな対極のものを思い出したりしています。

私達、建築に携わる者たちは、
これからの住宅のありかた、
日本人としての暮らし方を、
大切に考えなくてはいけないのではないかと思っています。

『そろそろそこに"昔"を足したらどうだろうか』

住宅だけでなく、何にでも置き換えられますね。


■参考・引用 JR東日本・大人の休日倶楽部 ジパング 10月号

(2011.09.29)