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家守り

台風が近づいて来ています。
3.11の地震以来、ほとんどの家の屋根瓦はブルーシートのままです。
幸い、あの地震以降、
ゲリラ豪雨や突風などが吹いておらず、当初の予想より、雨漏り等は少ないのですが、
今回の台風の進路を見ると、太田市も範囲内に入っていますので、
気をつけなければなりません。

『家守り(いえもり)』
最近ちらほらとこの言葉を耳にしたり、目にしたりするようになりました。

来年のHPリニューアルに向け、色々と準備を始めているのですが、
この『家守り』について、特に考えをめぐらせています。

そもそも、大工さんというのは、
『家守り』という仕事なのだと思います。
この地に岡村建業があるのも、先々代の竹次郎が、
事務所南側のM家の建設の為に、埼玉県の妻沼より居を構えたのが始まり。
M家の棟札によると、明治43年と記してありますから、
その何年も前から建設は始まっていることとなります。
そこから100年を超え、
ですが、そこに、当時のままの姿でM家はあるのです。
その家を守ってきたという、まさに『家守り』の役目です。

岡村家の子供たちは、その変わらない家を前に見ながら、
『あの家を建てるため(守るため)にここに来たんだよ』と言われながら育ちます。

この沖之郷町には、そんな家が沢山あり、それは私達の宝です。
その家々を『守る』こと。
その家に住まう人たちを『守る』こと。

これが、本来、地場で仕事をしていく大工としての責任なのだと思っています。

M家は、岡村建業の歴史そのものです。
証人のようなものでしょうか。
襟を正さずにはいられません。

手がけた仕事は、ずっとその先まで気にかける。
それが一番大事だと思っています。

『つくる・つなぐ・つづく』とは、
そういうことなのだと思っています。

『家守り』素敵な言葉です。

(2011.09.20)