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よってがっせ

車に乗っていて『よってがっせ』という看板に目が留まり、
「そういえば・・・」と、ふと、思い出しました。
昔はよく、お施主さんの家を尋ねると、
“よってがっせ、よってがっせ”と言われたものです。
この地方の、年配の方が主に使う言葉ですが、
『寄っていきなさいな。ほら、いいからこっちこっち!』というような、
歓迎の招き入れ方とでも言いましょうか。
何だか、とっても温かい方言のひとつです。
本当に最近は言われなくなりました。
また、最初はこの言葉から始まり、ひとり増え、ふたり増え・・・と、
その季節のお茶請けや持ち寄ったものを広げて楽しそうにしている老人達の縁側や土間でのお茶のみ風景も、
昔のなつかしい記憶となりつつあります。
そのひとつには、昨今の住宅の間取りや性能等が関係しているかもしれませんね。
“そんな感じ”がこれからも残って欲しいな・・・と、ひそかに思っています。
そう思うと『縁側・土間』というのは、昔の日本にはなくてはならない必須空間だったのではないでしょうか。

『よってがっせ!』。
たまには言われてみたい言葉です。


昨日は、嬉しい事がありました。
家族一同、静かに鳥肌をたて、喜びました。
「私達はこうありたい」という思いを、感じ取ってくださったのだと思います。
『住は聖職なり』と、ある会社の社長さんが言いました。
それ位、私達の考える『住』とは、重く、大切なものなのです。

(2009.09.04)